本建物は、築 30 年であったものの、趣のある外壁タイルや、自走式の地下駐車場、中庭型の住戸配置など壊してしまうと得られない価値があった為、スクラップ＆ビルドではなく、一棟リノベーションを実施する判断をいたしました。
外装タイルは極力残しつつも、メリハリを利かせる為に一部をアッシュブラックの塗壁としました。また、新たに木目調としたエントランスホールに置き配対応のオートロックを導入し、デザイン性だけでなく、高いセキュリティの機能付加を行っています。更に、道路沿いには多肉植物を中心とした植樹を行い、高級感と親しみやすさを両立させた外観を演出いたしました。結果的に、既存タイル・塗り壁・植栽・照明の多重効果で、既存の材料を活かしながらもモダンな外観へとバリューアップを実現いたしました。
専有部はスケルトン状態まで内部解体を行った状態から、居室や水回りの新設を行っている為、新築同様の美しさと機能性を備えた快適な居住空間となっています。今回のリノベーションは、建物の築年数をむしろ良質なエイジングと捉えなおし建物の新たな魅力や贅沢さを引き出す手法であり、新築よりも短工期かつ環境へ配慮した開発手法です。弊社の開発ソリュ―ションの 1 つとして、今後も多くのリノベーションを実施していきたいと考えております。
なお、本件は開発種別によるポートフォリオにおいて、自社によるバリューアップ案件として位置付けられる案件です。
